子どもの睡眠時間がもたらす学びの影響

2023年10月22日 Vol.980
つばめ学院は埼玉県和光市にある「生徒を元気にする塾」です。
塾長の関口です。

先日、「「発達障害」と間違われる子どもたち」というタイトルの本を読みました。
著者は成田 奈緒子さんという医師で、35年もの間小児科の現場で子ども達を診察してきた方です。
非常に示唆に富む本でしたので、その内容を教室で生徒達にお話しています。今日はその内容をブログでご紹介します。

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発達障害を疑われる子が急増している

本の内容を私が気になった範囲で端的にまとめてしまいます。
「発達障害」という言葉が一般に知られるようになり、その「疑い」をもたれる子が増えているそうです。
厳密には精神科医が基準に基づいて診断をしたうえで判断することですが、それ以前の段階で親や教師などが「もしかしたら」と考えることが多いようです。
そして、そのような「疑い」をもたれる子の多くは「発達障害」と言われるような脳に原因があるのではなく、生活習慣に原因があるそうです。
ここまで、とても納得のいく内容ではないでしょうか。
私も読みながら、「確かにそうだろうな」と思いました。

更にその「生活習慣」で大きな問題になっているのが「睡眠不足」なのだそうです。
「睡眠不足」が原因で「発達障害」を疑われるほどに、お子さんの行動が変わってしまうというのは衝撃的ではないでしょうか。

睡眠はどの程度必要なのか?

世界中の小児科医がバイブルにしている教科書『Nelson Textbook of Pediatrics』というものがあるそうです。
こちらの教科書の基準によれば

14〜17歳 8時間〜10時間
18〜25歳 7〜9時間
なのだそうです。

どうですか?お子さんの睡眠時間は足りていますか?
中学生の睡眠時間は「最低でも8時間」ですよ。
もし、朝の7時に起きる予定ならば夜の11時に寝る計算です。
これが「最低ライン」なんです。
これを下回るものが「睡眠不足」と考えられます。

私が保護者面談などでお伺いすると、日付を超えて起きている中学生のお話も聞きます。
場合によっては、親が寝る時間より後に寝ている子の話も聞きます。それ自体が悪いことではないですが、大人よりも睡眠時間が少ない中学生がいる可能性があります。

問題点と希望

大人の基準を書きます。
大人に良く言われる基準では、「6時間睡眠を10日間続けると、48時間徹夜したのと同じ」などと言われたりします。
これは、お酒を1-2合程度飲んだ状態と同程度だそうです。
誤差はあるにせよ、「睡眠不足は徹夜と同程度の脳の活動低下をもたらし、それは飲酒状態にも近い」という定性的な理解は正しいはずです。

さて、子どもに話を戻します。
成田先生は「発達障害もどき」という言葉を使われました。
私は「発達障害もどき もどき」があるのではないかと感じています。
つまり、「発達障害」とまでは言わないけれど、「勉強が苦手」「理解度が低い」「覚えられない」「落ち着きがない」と悩む子は多い気がします。
それは、その子の「個性の問題」ではないかもしれません。
「うちの子は勉強が苦手で、、、」
「うちの子は集中が続かなくて、、、」といわれるその子は、睡眠不足が原因かもしれないですよね。
もっと言えば、大人が酒を飲みながら勉強しているのと同程度の状態で勉強をしていながら、「勉強ができなくて」と言っているかもしれません。

そりゃそうだ。
と思いませんか。
酔っ払って勉強して身につくわけないです。
同様に、徹夜明けに勉強しても身に付かないのです。
ならば、睡眠不足で勉強したって定着しません。

「頭が悪い」のではなく「十分に寝てない」だけかもしれません。
ならば「ちゃんと寝る」ことから始めてみるのはいかがでしょうか。
それだけのことで、お子さんの学習効果が大きく改善するかもしれません。それって大きな希望だと思いませんか。
寝るだけで成績が大きく変わるかもしれない。お子さんの将来が大きく変わるかもしれない。
そういうお話なのですから。

お子さんは8時間以上寝てますか?

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

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