ちゃんとしているか?: 生徒たちに投げかける永遠の問い

2023年9月10日 Vol.978
つばめ学院は埼玉県和光市にある「生徒を元気にする塾」です。
塾長の関口です。

今日は「ちゃんとやる」について書きます。
「ちゃんとやる」って難しいですよね。そんなお話です。

イチローは「ちゃんとやってよ」と言って去った

私が好きなお話を1つご紹介します。
「ちゃんとやってよ」イチローが甲子園優勝校・智辯和歌山に託した言葉

イチロー氏が智弁和歌山高校の野球部を指導した際の最後に、「ずっと見てるから、ちゃんとやってよ」と言って去ったそうです。
イチロー氏は別のインタビューで、「”ちゃんとやる”の中身は練習で全て伝えた。だから最後は”ちゃんとやってよ”で十分なんです」とも語っていました。

部員たちは、イチロー氏が去った後もその言葉の意味を反芻したそうです。

「ちゃんとやれ」と言うこと

私は教室での指導で、「ちゃんとやれ」「ちゃんとしろ」という言葉を多用する方だと思います。
もちろん、その具体的な内容として「ノートを丁寧に書く」「間違えた問題は解き直しをする」「なぜ間違えたのかを振り返る」などもあわせて伝えます。

多くの生徒にとって「ちゃんとやれ」という指示は意味の分からないものです。
「ちゃんとやれ」と言われても。。。
何をどうすれば、”ちゃんと”なのかが分かりません。
だからこそ、「生徒がどう行動すれば良いか明確に分かる指示を出すべきだ」という人もいます。
しかし私はそうは思わないです。
なぜなら、具体的な指示をいくら積み上げたとしても「ちゃんとやる」には到達しないからです。


もし「ノートを丁寧に書く」「間違えた問題を解き直す」「なぜ間違えたのかを振り返る」ことができたら、それは「ちゃんとやった」ことになるのでしょうか。
それはなりません。
解き直しの時に答えを暗記してそれだけ書いてもダメです。
計算問題を間違えた理由を「計算ミスでした」と言っているようでは計算力は上がりません。


具体的な指示を出すことの欠点は、「それらを全てクリアすれば良い」という思い違いを招いてしまうことなんです。

必要な最後のピースは「問い続ける姿勢」

話を戻します。
私は生徒たちが「ちゃんとやる」人間になって欲しいので、何度でも「ちゃんとやれ」と言います。
でもこの「ちゃんと」は教室内の指導では決して完結しません。
言われた生徒は、「”ちゃんと”って何なんだよ」と思うはずです。
それで良いんです。それが狙いなんです。

「ちゃんとする」の定義は完結しないのです。
個々の生徒が「自分にとっての”ちゃんと”を問い続ける」ことが本当に大切なことではないでしょうか。
自分自身で具体的な行動を考え出せるようになると、「ちゃんと」の範囲は急拡大します。
「元気に挨拶する」ことが「ちゃんと」に含まれるかもしれません。
「授業終わりに消しゴムのカスを捨てる」ことも「ちゃんと」かもしれません。
「塾が終わったら寄り道せずまっすぐ帰る」ことだって「ちゃんと」です。

人によって、成長過程によって、「ちゃんとする」の中身は変化します。
大切なのは、「今のこれは”ちゃんと”してるのか?」と常に自分に問う姿勢ではないでしょうか。

「ちゃんとやれ」と言いながら具体的な指示をするのは自転車の補助輪です。
生徒自身が自分で「問い続ける」ことができたとき、その子は間違いなく社会を構成する一員として自走できるのだと思います。

お子さんは「ちゃんと」やってますか。

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

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