「勉強しない子」に悩むあなたへ:塾長が親御さんと共有したい視点
2025年5月23日 Vol.1006
つばめ学院は埼玉県和光市にある「生徒を元気にする塾」です。
塾長の関口です。
つばめ学院では今週から保護者面談を開始しています。
すべての生徒の保護者とお話をして、お子様の塾での頑張りをお伝えするとともに、ご家庭での様子を伺う期間です。ご家庭での保護者の皆さまのご心配を伺う機会でもあります。
今日はそんな「ご心配」に役立つお話をご紹介しようと思います。

課題を分けるということ
今年のゴールデンウィークに、トマス・ゴードンの「親業」という本を読みました。
この本の内容を一言でいうと、「親としてのスキルをまとめた本」ということになります。親として子どもを生んだ時から「愛情さえあれば適切に子育てができるはず」と考えるのは合理的でありません。
そして、そのスキルの中で、特に私の印象に残ったことが「親子の課題を分ける」という考え方です。「子どもの課題」を親が「自分の課題」として奪ってしまう。そのような内容が本書では紹介されています。
「勉強しない」は誰の課題?
学習塾に我が子を通わせる親御さんが感じる課題のトップは「うちの子は勉強しないんです」というものだと思います。今の時期であれば、「試験前にもかかわらず、まったく勉強に取り組もうとしない様子が見られるかもしれません。」かもしれません。
ここで重要なのは、その課題が「子どもの課題」であるという点です。つまり、その課題を解決できるのは、本質的には「その子」だけです。
そして、そこでの「親の課題」は何かというと、「我が子の姿を見て不安になる」ということです。だからこそ、親として子どもに働きかけることになります。
大切なことは、「課題の所有者」を明確にすることです。いくら親が強い口調で注意をし、強制的に勉強させたところで「子どもの課題」は解決しません。むしろ解決から遠ざかる可能性すらあります。
お子さんに脅威を感じさせて勉強に向かわせるより、率直に親としての不安を伝える方が有効な働きかけになるはずです。
私も同志です
このお話を読んで、「それは、親ではない他人だから言えることだ」と感じる方もおられるかもしれません。実の親子のように利害関係がないから言えることだ、と。
しかし、利害関係は私もあります。
私は塾の経営者です。お預かりしている生徒の成績が上がらなければ、生徒は塾を辞めて(辞めさせられて?)しまいます。そうなれば、私の生活の糧は先細ります。たとえば、「あの塾は甘くて成績が上がらない」という評判が立てば、塾の存続に関わる事態となります。そんなことを考えていると恐ろしくて夜も眠れません。
しかし、そんな私の状況なんかは「お子さんの課題」には関係ありません。その課題を解決できるのは本人だけなんです。私にできることは、働きかけることです。
お子さんの課題を奪わずに見守ることは、実は大きな勇気が必要な行動です。それは、私も身をもって痛感しています。だからこそ、お子さんの成長を見守る親御さんを私は「同志」だと思っています。
一緒にお子さんの成長を待ちながら、大人にできる働きかけをしていきませんか。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。